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「その子らしさ」を生かすための子育て

投稿日:2009年2月24日

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昨日、臨床心理士の中谷恭子先生の、「その子らしさ」を生かすための子育て と題した講演を聞いてきました。初めて発達障害に接する人にもわかりやすいお話でしたし、話し言葉が淡路島の方言なのか、とても柔らかく、さらに明るく建設的な考えに溢れていて、2時間があっという間に過ぎてしまいました。

以下は自分の為の覚え書きです。
発達障害とは、重度の自閉症からADHD(注意欠陥、多動性障害)まで幅広く、ひとくくりにまとめることができないそうです。また発達障害のお子さん達は、知的な能力に問題があるわけではないのに、周囲の誤解によって学習や生活に不具合が生じ、自分らしく生きられず、その能力を発揮出来ない事があるそうです。

発達障害についての具体的な行動については、以前「光とともに」という漫画を読んだことがあったので、少しは知っていましたが、じっと座っている事が苦手な発達障害のお子さんに対して、「我慢してそこに座っていなさい」と指導することは、目が悪くメガネをかけている人に、「メガネを外して、気合いで(遠くにある時計の)時刻を見なさい」というのと同じくらい、本人の努力だけではどうにもならない事なのだそうです。
発達障害の特徴を知らないまま、そんなことばかり繰り返していたら、お互いに疲れるばかりですね。

ちなみに多動性障害のお子さんに対しては、朝ご飯を食べる前や、授業が始まる前などに、一緒にお散歩をしたり、グラウンドを一周するなど、エネルギーを発散させてあげると、少し落ち着いて座っている事ができるようになるそうです。

中谷先生によると、「発達障害」とは“生まれ持った型”であり、人それぞれ得意な事と苦手な事があるように、発達障害といわれる人達は、たまたまその苦手の度合いが大きいだけなんですよと。そして、今ここに来てくれた方達の中にも、自分は人づきあいが苦手だなと感じている人や、あの人ちょっと変わっているなと思う人はいますよね? そういう、一見おつきあいの難しそうな人や、自分が苦手だなと思う人、変わっている人、自分とはちょっとタイプの違う人だなと思う人達と、積極的に関わってみてください。そうすることが対人関係の達人になる近道なんですよとおっしゃっていました。

発達障害のお子さん達と関わっていると、いろいろな発見や驚きがあるそうです。初めて接する時はどうしていいかわからなくて当然だし、驚いた時には、知ったかぶりをせずに素直に反応して良いのだそうです。
先生は発達障害のお子さん達と一緒に過ごす事によって、以下のような自分の変化に気づいたそうです。
□ 仲良くなってゆく工夫ができるようになる
□ 上手く行かない時のやり方を工夫するようになる
□ 我慢大会をやめて、支援の仕方を考えられるようになる
□ 自分の考えを変えなければ、状況は変わらないのだと気づく事ができる
□ 先に答えを出そうとしなくなる
□ 自分のこだわりを無くすことができる

たくさんぶつかりげいこをした分だけ、人づきあいはうまくなるし、一緒に楽しく過ごせるようになるのだそうです。
それから、もうひとつのポイントとして、“興味を持って一緒にやる”ということが良いようです。彼らの世界がどれだけ広がっているのかを覗いてみるつもりで、一緒に楽しんでしまうのだそうです。

中谷先生のお話は、発達障害の方達と関わる時ばかりでなく、配偶者やこどもとの関係や、お母さん同士のおつきあいにも通じるものがあって、とても参考になりましたし、この町の障害を持つお子さんのお母さんの存在も初めて知る事が出来て、何か自分にもお手伝いやフォローできる機会があれば、ぜひ協力したいと思う有意義な時間でした。
 
中谷先生と、今回先生を招いてくださったランディさんに感謝するとともに、大勢の前でお子さんが障害を持っている事を話してくれた3人のお母さんに対しても、敬意を表します。

追記
「発達障害」という言い方を、先生はあまり好まれてはいないように感じましたし、私自身も何度も記事中にこの言葉を使う事に抵抗があり、もっと別の言い方があったら良いのにと思うのですが、現時点では他の言い方が見つかりません。不愉快に思われる方もいるかもしれませんが、ごめんなさい。

〜撮影データ〜
ニコンD700
AF NIKKOR 50mm/1.4D
絞り優先オート(+0.3補正)
絞りF5.6 シャッタースピード 1/2500秒 
ISO 200 オートホワイトバランス